むし歯治療について
むし歯の治療は、その進行具合によって治療方法が異なります。
進行具合は、要観察歯のCO(シーオー)と、C1~C4の4段階のむし歯に分けることができます。むし歯が進行してしまうと、歯を大きく削ったり、歯の神経をとらなくてはいけなくなってしまいます。なるべく早い段階でむし歯を治療することで、削る量も少なく歯を残すことができます。早期発見のため、定期的な検診をおすすめします。
むし歯の原因
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細菌
むし歯菌が増えれば増えるほど、むし歯の発症リスクは上昇します。そこでセルフケアの精度を高めて、歯科医院で定期的なクリーニングを行えば、細菌の少ない口腔環境を維持できる可能性が高まります。
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糖質
糖質を栄養源にむし歯菌が酸を作り出すことで、徐々に歯は溶けていきます。つまり、糖質を控える食生活を続ければ、むし歯菌の繁殖を防ぐことが可能です。
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歯質
歯質が強ければむし歯のリスクを抑えられます。そこで、積極的にフッ素入りの歯磨き粉を使用し、歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けましょう。続ければ続けるほど歯質を強くする効果が期待できます。
進行段階ごとの治療法
COむし歯になりかけの歯
ほんの少し色がついている
CO(シーオー)のOは「Observation」の略で「要観察」という意味です。むし歯の初期症状が疑われる歯で、放置しておくとむし歯になってしまう可能性のある歯を指します。
■この段階での治療法
この段階であれば、適切なブラッシング、フッ素塗布、シーラントなどで対策することで、むし歯を予防できます。定期検診で、むし歯になっていないかチェックしましょう。
C1歯の表面のむし歯
痛みがなく、表面が黒くなっている
歯の一番外側にあるエナメル質が、むし歯になっています。むし歯の部分を小さく削って、歯科用の白いプラスチックなどを詰めて治療します。
■この段階での治療法
C1の段階では痛みがないため、自分では気づきにくいむし歯です。定期検診などで早期発見・早期治療を心がけましょう。
C2神経に近いむし歯
痛みがある、冷たいものや熱いものがしみる
エナメル質の下にある、象牙質までむし歯が進行しています。
■この段階での治療法
むし歯の部分を削り、小さなむし歯の場合は歯科用の白いプラスチックを、むし歯が広がっている場合には金属やセラミックのつめもの(インレー)を詰めて治療します。
C3神経まで達したむし歯
何もしていなくても痛みがある
むし歯が進行して歯の神経まで達した状態です。この段階になると、細菌に侵された神経を取り除く必要があります。
■この段階での治療法
歯を大きく削って神経を取り除いた後、根の治療(根管治療)を行い、つめもの(インレー)や、かぶせもの(クラウン)を装着して治療します。
C4末期のむし歯
小児歯科について
小児歯科では、主にお子さまのむし歯治療と予防を重視した治療を行います。
特に歯質が安定していない乳歯は、永久歯に比べてむし歯になりやすく、進行も早いという特徴があります。
乳歯のむし歯を放置すると、永久歯のむし歯リスクや歯並び、かみ合わせにまで悪影響が及ぶため、できるだけ早期の治療が大切です。
当院の小児歯科の予防メニュー
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フッ素塗布
フッ素は歯質を強化する必須栄養素のひとつです。毎日の食事からも取り入れることができますが、フッ素配合の歯磨き剤を使用したり、歯科医院でフッ素塗布を行ったりすれば、より高い効果が期待できます。
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シーラント
シーラントは歯科用の樹脂です。生えたばかりの奥歯のかみ合う面は溝が深く、食べかすが溜まりやすい場所です。そこにシーラントを流し込むことで、溝を埋めて、奥歯のむし歯予防をめざします。
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ブラッシング指導
子供でも大人でも歯を正しく磨けている人はほとんどいません。しかし、磨き残しを少なくすることは、予防歯科の基本です。そのため当院ではお子さまが飽きないよう、楽しく歯磨きをするアドバイスをします。ぜひ小さな頃からセルフケアのレベルを上げて、むし歯・歯周病予防に結びつけましょう。
お子さまの歯を守るための予防歯科
ここまででご紹介したように、お子さまの歯は将来の基礎となる大変重要なものであるにかかわらず、とてもむし歯になりやすいという性質を持っています。
後で困ることのないよう、しっかりと予防するため、そしてお子さまに歯医者という環境に慣れてもらうため、ぜひ予防歯科を有効活用してください。
口腔外科について
口腔外科では、歯ぐきの切開を伴う親知らずの抜歯や、口腔内や顎周りの外傷・腫瘍などの検査や処置を行っています。むし歯や歯並びを治療する歯科とは違った診療内容で、患者様の症状を治療します。顎関節症やお口周辺のケガにも対応していますので、スポーツ時や交通事故などで外傷を負った際などは口腔外科にご相談ください。
親知らずの抜歯
親知らずとは、前歯から数えて8番目の奥歯です。親知らずは、ほかの歯よりも遅く生えてくるケースが多いため、生え出るスペースがなく位置異常を起こしやすい歯として知られています。なかには問題なく真っ直ぐに生えてくるものもありますが、傾斜して生えたり、半分が歯肉に埋まった「半埋伏」状態のものもあるため、親知らずが原因となるトラブルは多いです。
何らかのトラブルの原因となっている親知らずは、抜歯をおすすめしています。難症例の場合は専門性の高い歯科や口腔外科への紹介を行っていますが、当院内で対処できる症例も多いので、親知らずに関するお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
顎関節症
「口を開けた際に音がなる」「朝起きた時に顎に痛みがある」などが顎関節症の代表的な症状です。
症状がひどくなると、口が開きにくくなったり、頭痛や肩こりがひどくなったり、めまいを覚えるようになったりと体全体の不調に繋がることもあります。
発症要因は一つではないので、患者さまと一緒に日頃の生活習慣を振り返り、適切な治療をご提案します。
口腔内のできもの
お口の疾患には、むし歯や歯周病以外に「できもの」ができるものがあります。一般的なものでいうと口内炎が挙げられますが、なかには腫瘍(良性・悪性含む)や前癌病変、水疱、腫瘍類似性疾患、嚢胞などもあり、深刻な病気につながる可能性もあるのです。痛みや違和感がない場合は「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちです。良性のものであれば、当院内で処置できますし、悪性の可能性があれば、より高度な診療ができる医療機関への紹介も可能ですので、気になるできものがある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。病気は早期発見・早期治療が有効です。